尾崎翠「アップルパイの午後」入荷のお知らせ
尾崎翠作品集『アップルパイの午後』(薔薇十字社刊)が入荷いたしました。尾崎翠は明治29年(1896)に鳥取に生を受けた作家で、吉屋信子・林芙美子等と同時代に活躍した女流作家として知られています。
「つねに、ひとの第七官にひびくような詩を書きたい」と願う少女とその周辺を描き、花田清輝などに激賞を受けた『第七官界彷徨』のほか、『歩行』、『地下室アントンの一夜』、表題作『アップルパイの午後』、『嗜好帳の二、三ページ』、『木蓮』の六作品が所収されています。作風は当時としては類を見ない尾崎独特のユーモア・文章表現で描かれており、現代においても非常に斬新な作風となっています。秋の夜長、紅茶とアップルパイのお供に如何でしょうか。
現在、薔薇十字社から出版された初版本と1972年に出された新装版の二点を在庫しております。どちらも天神橋店店頭でご覧いただけます。