英米私家版工房本入荷のお知らせ
19世紀末イギリスで”理想の書物”を追求した装飾芸術家ウィリアム・モリスの印刷工房ケルムスコット・プレスから影響を受けた英米の挿絵本が3点入荷しました。
17世紀イギリスの神学者ロバート・バートン(1577-1640)が古今の「憂鬱」に関する記述を渉猟して著した「憂鬱の解剖」20世紀刊行版。
20世紀初期イギリスのグラフィック・デザイナー、エドワード・マックナイト・コーファー(1890-1954)による挿絵を豊富に収録。
ケルムスコット・プレス設立以降、その影響を受けた私家版工房が次々に現れる中、従来手作業中心であった私家版書物の制作工程を大幅に機械化することで、現代的な感性と程よい大衆性を交えることに成功した当時新進の工房ナンサッチ・プレスによる本書は、中世風の文字組の中にモダンなイラストを配するなどの独自のセンスが光る一冊です。
<天牛書店:挿絵本「憂鬱の解剖」>
14世紀後期に成立した、英国中世文学のひとつ「ウィリアムの見た農夫ピアズについての幻」。
1900年にアメリカで設立された私家版印刷工房エルストン・プレス刊行の限定版。
装丁から活字、挿絵にいたるまで、オーナーのクラーク・コンウェルとその妻ヘレン・M・オケインの美意識が行きわたった美本です。
<天牛書店:挿絵本「農夫ピアズの夢」>
19世紀イギリスの作家リチャード・ドッドリッジ・ブラックモア(1825-1900)晩年の作品「フリンジラ」アメリカ版初版。
アメリカのアールヌーヴォー時代を代表するグラフィック・デザイナー、ウィル・H・ブラッドリー(1868-1962)が装丁と挿絵を手がけた本書は、ケルムスコット・プレス刊本の造本や画家オーブリー・ビアズリーの挿絵からの影響がうかがえる美書。
<天牛書店:挿絵本「フリンジラ」>