「北亜米利加周遊記 102階」入荷のお知らせ。
岩本信一郎「北亜米利加周遊記 102階」(昭和12年)が入荷いたしました。
昭和初期、日本国内では第一次世界大戦後の不況からの脱却のため、実業家を欧米に派遣する新販路開拓の計画がいくつか立てられました。
その一環として、昭和10年、日本貿易振興会が世界一周の視察旅行を行いました。本書はその中で北米周遊班の一員として参加した岩本信一郎氏が、北アメリカ、カナダ、キューバ、パナマ、ホノルルを70日間かけて視察した際の様子を記したものです。
氏が自らライカで撮影した写真は、旅行者の視点から見た当時のアメリカを感じることができます。特にニューヨークへは強いあこがれを抱いていたようで、当時世界最大のビルであったニューヨークのエンパイア・ステートビルへの想いは、本書のタイトルにも強く表れています。
またカワタレイアウト工房によるブックデザインは、本書をただの旅行記で終わらせず、装丁の観点から見ても大変興味深いものとなっております。